一般社団法人日本地域看護学会

 地域看護学は人々の生活の質の向上とそれを支える健康で安全な地域社会の構築に寄与することを探求する学問です（地域看護学の再定義（2019）より）。多様な場で生活する様々な健康レベルにある人々の生活の質を保障することを目的とし、暮らしを継続的・包括的にとらえ、コミュニティと協働しながら効果的な看護を探究する実践科学です。私たちが看護学として最も大切にしたいことは、当事者の経験です。当事者に何が起こっているのか、その事象を起点に地域看護のナレッジやスキルを開発する必要があります。

 看護専門職は当事者に寄り添いながら、変化する地域社会に生きる人々の経験や暮らし方から学び続けています。その学びは良質な質的研究を生み、実践を変える力をもっています。しかしながら、近年、質的研究が広く用いられるようになり、正しい行儀作法があるかのように方法論how toに関心が向きがちです。この研究セミナーでは、あなたの質的研究に関する素朴な疑問や釈然としない事柄を掘り下げ、看護学の発展にかかわる本質的な課題について考えたいと思います。実践者、教育者、研究者、学生の皆様のご参加をお待ちしています。